整体

　長年の生活の中で偏った使い方や酷使された筋肉や腱などの組織は患者様が思われるよりもダメージが強く、いきなり運動などの刺激を加えてしまうと、隣り合った筋膜同士が広範囲に癒着している場合などは狙った筋肉だけでなく、癒着を起こした筋肉も同時に収縮を起こしてしまい、反対の作用を持つ使いすぎている筋肉にも運動療法で刺激が入ってしまい、結果的に痛みが強くなるなどの目的と反対の効果が出てしまいます。

　そのため、まずは運動刺激を入れたい筋肉自身と反対の作用を持つ筋肉が柔らかく滑走性を持っていることが正確に「不労筋」という長年働かずに周囲と癒着を起こしている筋肉を再度働かせるための必須条件になります。

　まずは、この筋肉を「緩める」ということを最初に行っていきます。

　次に、肝心の関節自体が負担なく正常範囲まで動くことが運動療法の必須条件になってきます。

　筋肉自体はいくら緩んだとしても「骨」に平行に「伸びる」と「滑る」が起こらないと関節は正常に動きません。

　そのため筋肉(筋膜)を長軸(骨に平行に)伸ばす、滑走させるという作業を行っていきます。

　次にいくら動力源である筋肉が動いて滑走できたとしても、今度は蝶番にあたる関節が「ズレて」いたり「錆びついて」いたらスムーズな動きが出ずに、正常な筋収縮を起こすことができずに、思った通りの運動療法につなげていくことが困難になってきます。

　そこでもしも、関節が「ズレて」摩擦を起こしていた場合には周囲の動力源である筋肉（筋膜）の伸張性と滑走性の再獲得と同時に正常な位置に「修正」していきます。